Storyアンジェリカの物語

第五章 開花と苦悩

式場プランナーになって3年目。 営業成績はトップとなり、お客様からも会社からも、高評価を頂けるようになりました。
と同時に、会社の期待に応えるのが、苦しくなってきたのもこの頃です。
新郎新婦の想いを叶える為の志事(良い結婚式)と、社員としての存在価値を示す仕事(良い営業成績)、その両方を満たす為には、自分の時間を削るしかありませんでした。

当時、どこの式場でも、プランナーは結婚式当日は現場に付かず、新規接客にまわり営業成績をキープするのが一般的でしたが、私は、週末には接客を入れずに、担当の結婚式に張り付いていました。
お二人の笑顔や、感動の涙、結婚式が終わって感謝の言葉を頂くとき。それは、全ての苦労が報われる瞬間でもあります。その醍醐味を味わえなかったら、ウェディングプランナーで居る意味がないと思っていたからです。
しかし、そんな事を続けていたら新規成約が全く取れず、上からおとがめが入るのは、わかっていました。
だから、営業成績を落とさないよう、新規接客を夜に入れていました。
結婚式が終わった後、接客。接客が終わった後、資料作成や事務処理をしていたら、帰宅は深夜。朝まで会社にいる事も珍しくはありませんでした。
毎日の睡眠時間は3〜4時間。休日は、どこも出掛けずに、20時間くらい貯め寝。
そして、とうとう体を壊してしまいました。

仕事も、会社も、大好きでした。
社員一人一人の個性を認めてくれる、素晴らしい会社でした。
プランナーの自由な発想のもと、個性あふれる結婚式を作らせてもらえる・・・こんな自由な式場が、当時、他にあっただろうか? (いや、きっと今でも、他にないと思う。)
だからこそ私は、社員である以上、大好きなこの会社に貢献したい。会社の繁栄に尽力したいという思いがありました。
しかし、それ以上に、新郎新婦に寄り添って結婚式を作り上げ、当日は側にいて、感動を分かち合いたい。強くそう思っていたのです。

そんな葛藤と戦いながら、いつしか私は、「自分が思い描く理想のプランナー像で居続けたら、この会社には貢献できない・・・。」と思うようになりました。
そして、4年間勤めた大好きだった式場を、泣く泣く退職しました。