Storyアンジェリカの物語

第四章 挫折

一方、家族は大反対でした。前職の旅行会社では、営業成績も上々でしたが、ウェディングプランナーとしては、まだまだ駆け出し。お給料は驚くほど低く、前職の半分以下でした。
一流のウェディングプランナーになりたい!と自分の意思を貫き通す私に対して、父は、「反対したのに聞かないのだから、応援も援助も、一切しないからな!」と、遠巻きに見ていました。
しかし、ウェディングプランナーという職業に、オタクレベルで憧れていた私は、そんな父の声に耳を傾けるどころか、「若い頃の苦労は、買ってでもしろ!」をモットーに、やる気に満ち溢れていました。

ところが、私の意欲とは裏腹に、仕事のほうはいまいちでした。
式場での仕事は、想像とは違い、プランナーというよりも、営業マン。
お客様の為にやったことは、評価されず、営業成績で順位付けされる社員達。
悔しいこと、理不尽なことだらけで、私がやりたかった事って、こんな仕事なの?と、自問自答する毎日でした。

これまで、何度打ちのめされても、モチベーションの火が消えることはなかった私でしたが、一度だけ、弱音を吐いたことがあります。
「もう、この仕事、辞めるわ。」と、父に伝えました。
私の仕事を、良く思っていなかった父。
喜んで賛同するだろうな・・・と思っていました。
ところが、父の口から出てきた言葉は逆でした。
「絶対に辞めるな!」予想外の展開に、きょとんとしている私に対して、父は、こう続けました。「誰もが反対した。それはお前が辛い思いをするのがわかっていたからや。それでも、あの時、お前は言ったなぁ。本気でやりたいから、何でも乗り越えられる!絶対に、くじけない自信がある!あの言葉は嘘やったんか?家族や親戚、前の職場の人達みんなに誓った言葉は、嘘やったんか?お前の本気は、その程度のものやったんか?本気やったんなら、絶対に辞めるな!」そう言って、叱ってくれました。
あの時の、父の言葉がなかったら、今の私は存在していなかったと思います。
ブライダルに携わって17年。それからも、いろんな葛藤がありましたが、今も、その言葉に支えられて、ウェディングプランナーという仕事を、続けています。